旅するかばん

早朝 ぼくは旅に出る

 

 

夏の日差しに照らされて 重なる緑 ベランダの苦瓜

 

 

手に入れた大きな空っぽには白いシャツがよく似合う

あべこべな英語の歌くちずさみながら 誰もいない今出川通りをゆく

 

 

夏の日差しに照らされて 静かに伸びる 錆色の鉄

 

 

ここは赤茶けた始発駅 北に行っても南に行っても

がらんどうの京阪電車 知らない街へ運んでおくれ

 

 

夏の日差しに照らされて 底抜けの青 光る水面

 

 

空っぽのままで旅に出る

こんなにも大きな空っぽを ぼくらそれぞれ携えて

何色にだって染まる世界