40個のしかくの旅立ち

 

卒業制作展から時が経ち、卒業式を終え、ようやく少しずつ沢山の気持ちを言葉にできるようになりました。

 

この度は、卒業制作展にお越し頂きありがとうございました。

そしてなにより40点作品完売となりましたこと、皆様に心より感謝申しあげます。

 

40個の鞄が完成したとき私は、「たくさん鞄ができたぞ!で、どうするよ!」と思いました。完成なのに完成じゃない、使う物は使われないと意味が無い。このままでは終われないぞ、のむらはるか(震)!このままではモヤモヤして安眠できないぞ、のむらはるか(泣)!…といった感じでちっとも満足できませんでした。

 

40個の鞄が全て旅立ったとき私は、言葉にできない気持ちになりました。自分の考えや感情をこえて、鞄というモノをこえて、人の手を通して広がっていくしかくたち。

私は、作品が全て旅立ってはじめて、作品の完成と新たな始まりを感じることができました。

 

そして今。私のしかくたちは、次の方の手の中で、確実に育てられているのだ!と皆様のお声を通して実感しています。ぽつぽつと報告届いております。野菜入れにされる方、旅行鞄にされる方、一緒に苦労を乗り越えていくと誓ってくださった方、お守りみたいに特別な日の鞄にされる方、毎日がっつり使ってくださる方。まさに40通りの、育てられていくしかくたちです。

 

あのしかくは、いまどこでどうしているのかな。バスに揺られているときや、お風呂に入っているとき私はこっそり思い出しています。あのしかくの鞄には荷物がぎゅーぎゅー詰められているだろうな。海外に渡ったしかくたちは今きっと私がまだ見たことのない景色をみているだろうな。くすぐったい気持ちです。

 

私のモノは、私ひとりで完成しない。

卒制で学んだ一番大切なことです。

 

 

だれかと一緒に呼吸していくようなモノをつくれる作家になりたい。

 

4年間、繰り返す私の呪文のようなこの言葉。

卒業制作を終え、改めて強く唱えます。

 

春からも、また同じ場所で作り続けます。

これからも、作品共々、長いおつきあいよろしくお願い致します。

 

じぶんの手の届く範囲で、欲張らず、可能性を探りながら作り続けていきたいです。

 

 

2013.3.22.  野村春花

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    むらやまひろし (金曜日, 22 3月 2013 23:00)

    Ω≒Α
    卒業展示の場に立ち会えなかったのが残念です。
    画像、感慨深く拝見させていただきました。
    改めまして卒業おめでとうございます。
    新しい始まりに胸躍る春。

    再会、楽しみにしています。

  • #2

    のむらはるか (水曜日, 27 3月 2013 22:05)

    いつも、温かいお声ありがとうございます。
    支えられ支えられ、今の私がいます。
    こつこつ、こつこつ、止まってはこつこつ。
    これからも悩みながら、作り続けたいです。
    また長野でお会い出来る日を楽しみに。